WWDCへのメディア関係者招待は「Appleによる接待」なのか

韓国の聯合ニュースが興味深いニュースを報じています。そのニュースによるとWWDCにはAppleが各国からメディア関係者を招待していますが、その中に韓国メディアの関係者がいないということです。これは「不正請託および金品など授受の禁止に関する法律」の影響と言われています。(アップル 自社行事に韓国メディア招待せず=「接待規制法」影響か

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WWDCへの記者招待は慣例に

日本のメディア関係者も数人が毎年Appleに招待されてWWDCに参加します。昨年、招待を打ち切られた記者がTwitterなどで色々暴露した影響で、その実態が明らかになっています。メディア関係者は交通費宿泊費Apple側が負担してWWDCに参加します。確かに超高倍率の抽選を勝ち抜いて、自費で渡航・宿泊(一応割安の宿が紹介される)する一般の参加者とは待遇が違います。どうやらこれが「Appleによる接待」に該当する可能性があると判断されたようです。

WWDC VoIP

不正請託および金品など授受の禁止に関する法律」では接待を受ける側としてメディア関係者にも法律による制限を適用するようで、Appleもこの法律に準じて韓国メディアの関係者招待を見送ったと考えられています。また今後のAppleの発表イベントにも韓国のメディアは招待されないと報じられており、韓国でのApple製品のプロモーションにも大きな影響が出そうな気配です。

メディアとは持ちつ持たれつ

ただAppleによるメディア関係者のイベントへの招待には意味もあります。招待した記者のメディアへの寄稿を通して、製品やサービスの周知が進みます。もし招待しなければAppleが周知したい内容を誰も伝えない、なんて事態にもなりかねません。招待を受けた記者は発表内容を褒めることが多くなる可能性はありますが、そこは読者側が判断すればいいことでもあります。

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まあAppleも費用を負担して招待した記者の一覧を発表すればいいとは思います。そうなれば招待を受けてイベントに参加した記者自費(メディアの経費)で参加した記者の記事を読み比べることも可能になります。読者はより正確にイベントの内容を把握でき流ようになるでしょう。韓国の法律は少し窮屈ですが、企業の情報をメディアを通して一方的に読者が受け取る時代でもなくなっています。何か変化が起きれば面白いとは思います。

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