規制当局はやはり「懐疑的」 ソフトバンクのT-mobile買収に対して

昨日報道されたように、2月3日にスプリント社の会長という立場で孫正義氏はFCC(連邦通信委員会)の委員長と会談しました。その会談でFCC側は「買収する可能性に懐疑的な見方」を示したようです。またこの会談に先立ち、司法省反トラスト局も「米携帯通信大手4社間のいかなる合併案も承認することは難しい」という見解を示していました。(ロイターの記事

これでソフトバンクがT-mobileを買収するのに乗り越えるべきハードルはかなり高くなりました。米国ではやはり3社よりも4社が競争で消費者にメリットがあると判断されたようです。ソフトバンクの日本での成功はiPhoneの独占で契約を獲得したというより、3社の絶妙な均衡状態を作り出したことによるものが大きいと考えます。その成功体験をアメリカでは使えなくなるのは、Sprintの経営には痛手になるかもしれません。

一方、日本でも3社体制では競争が生まれにくくなってる気がします。大手3社とも価格を下げる方向で競争することは暗黙の了解で回避しているように見えます。イーアクセス(合併したウィルコムを含めて)も今からでも遅くないのでMBOでソフトバンクグループから独立して、市場をかき回す存在になって欲しいものです。

ちなみにソフトバンクがイーアクセスを買収した時期、KDDIも買収に動いていたようですが、今の状況を考えるとやはりKDDIの買収も不適切でしょう。日本にも反トラスト局のような強力な競争推進機関があればよかったです。

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