中国でTD-LTE対応iPhoneが発売される意味

12月12日、遂に中国最大の携帯電話キャリアChina MobileがiPhone 5sの予約を開始すると報じられています。すでに上海のサイトではiPhoneが掲載されて予約サイトも開設されているようです(Wall Streat Journal)。まだ予約は出来ないようですが、いよいよなのは間違いないでしょう。そして、この発売は中国で本格的な4G時代が到来することを意味します。

iPhone 5s/5cは既に中国の2キャリアで販売されているので、どちらかといえば4Gサービス開始のインパクトが大きそうです。中国の4GサービスはTD-LTEで行なわれ、これは日本のAXGPやWiMAX2+と互換性のある規格です。中国でのiPhoneによるTD-LTEの本格的なサービスインは日本市場、さらには世界の通信、コンテンツ市場にも影響しそうです。そういう意味で中国市場の動向は注目したいです。

もし中国で本格的なTD-LTEネットワークが成功すれば、中国と経済的な繋がりの強い周辺諸国や第三世界への広がりが期待できそうです。また通信機器の量産体制が確立され、ネットワークの運用ノウハウが蓄積されるなど、TD-LTEの普及に加速がつくでしょう。TD-LTEが国際的に広がれば、先駆的にネットワークを構築していたソフトバンクグループは更なる世界展開の可能性も出てきます。

ネットワーク部分だけでなく、膨大な人口を抱える中国で高速通信が普及すれば、コンテンツ市場が一気に開花する可能性もあります。世界のアプリ市場やコンテンツ市場が中国での配信を見据えたものになる可能性もあります。不正コピー問題もあり、中国でのコンテンツ配信には問題も大きいですが、それでも4G時代でコンテンツ市場が拡大するのは間違いないでしょう。

iPhoneとTD-LTEの組み合わせが中国をどのように変えていくか、非常に興味深いです。

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