少し不気味なauの解約率上昇

先ほど、KDDIは2016年3月期第3四半期の決算を発表しました。業績、契約関係の数字、ARPU(一契約あたりの売上)などは概ね順調で、最近のauの好調さが決算にも反映された形です。

しかし一つ不気味な数字の動きもあります。それが解約率の上昇傾向です。一時期、auはスマートバリューでの囲い込みが功を奏して非常に低い解約率を維持してきました。しかしここ最近、この解約率が上昇しています。四半期ごとに上下はあるものの、下のグラフを見ても上昇傾向は確かだと思われます。

原因はいろいろ考えられますが、MVNOに客が逃げているとすると今後のモバイル通信市場に大いに影響しそうです。解約違約金を支払っても、月々980円のMVNOに乗り換えた方が得という認識が広がっています。その流れがauの契約者の動向にも影響しているはずです。

大手3社からMVNOへの契約者の流れは着実に拡大していると思われます。月8,000円と980円では多少の通信の遅さは我慢できる人が多いのでしょう。来月末からiPhone 6s/6s PlusのSIMロック解除も本格的に始まり、MVNOへの流れはさらに加速する可能性もあります。携帯通信大手3社は何らかの手を打つ必要があるのではないでしょうか。

僕としてはMVNOの低料金も魅力的ですが、MNOが提供する最先端の通信サービスを体感するのも捨てがたい楽しみです。仮にMVNOの低料金が市場を席巻してしまえば、MNOの最新技術開発のスピードが鈍る可能性もあり、そのことを考慮すると、今回発表されたauの解約率上昇は少し不気味な動きだと思ってしまいます。

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