iPad名称変更からみるAppleの商品開発

ついに日本のiPad4Gモデル(表記はiPad(Wi-Fi+4G))もiPad(Wi-Fi+Cellular)と名前が変更されました。「4G」の定義はあいまいですが、あいまいな定義を適用してもアメリカ以外の国で「4G」規格が使えないことが問題になっていました。オーストラリアでは返品受付に発展するほど、問題は小さくなかったようです。

その問題を受けて、Appleはアメリカを含めた各国で順次iPadの名称が変更されています。写真下部にWi-Fi+Cellularの表記があるのがわかります。

ドイツ


日本


アメリカ


この名称変更問題から考えると、Appleの商品開発はアメリカのスタンダードを世界共通端末に組み込んで販売する、という傾向が強く見えてきます。4Gがアメリカ以外で使えないことは事前に知っていたでしょう。しかしアメリカでの販売上のインパクトを重視して名称をWi-Fi+4Gとして、それを世界共通名称として販売しました。

もちろん当初から他国での名称を変更していればよかったのですが、それでは製品ラインを複雑化してしまいます。結局、問題が議論され始めてから他国の名称をアメリカにも適応して、国ごとにモデル名称が異なることを避けています。

今回の問題でうっすら見えてきたことは、やはり「Appleの主戦場はアメリカ(北米)であること」と、「名称を含めて世界各国で別々のモデルを販売することはAppleの美学に反する」と言うことではないでしょうか。

iPad 3rd Perfect Manual
ソーテック社



こういうときに見え隠れするAppleの対応は同社の姿勢をほんのり映し出していると思います。これを理解しておけば、次のiPhone, iPadの機能予測もより楽しくなるのではないでしょうか。ちょっと考えすぎですが…。



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