AppleのMVNO参入は筋のいい方向性、否定されるも期待は残る

昨日からAppleがMVNOに参入するという情報とAppleが即座に否定するというニュースがありました。AppleとしてはiPhoneの販売で世界中のキャリアと協調関係を維持する必要があるため、表立ってMVNOでの通信業界への参入というわけにはいかないのでしょう。

しかしAppleがMVNOに参入するのは筋のいい話だと思います。iPad向けには既にApple SIMも導入しており、通信業界にほんの少し色気を見せているのではないかとの憶測もあります。そこからさらに一歩踏み出して仮にAppleがMVNOに参入した場合の影響は多大でしょう。

iCloud系のサービス(Apple MusicやiTunes Match、iCloudメール、iCloudドライブなど)、FaceTimeでの通信は無料、その他のデータ通信は従量制、なんて設定でプランが提供されればAppleファン、Appleのサービスを多用するユーザーの有力な通信キャリアの選択肢になります。またApple Storeで販売されるiPhoneに5GB分の無料データ通信をおまけとしてつける、なんてこともできます。

しかし現実には難しい問題もありそうです。世界中のキャリアはiPhone向けに自社のネットワークを身を削る思いで調整しています。LTEの整備やVoLTEへの対応などiPhone独自の挙動にキャリア側のネットワークを対応させようと四苦八苦している姿は記憶にも新しいところです。そうした努力を惜しまないキャリアに対して、MVNO参入はよく映らないことはAppleも十分にわかっているでしょう。

おそらくAppleはMVNOには参入することはないと思いますが、それでも既存キャリアとの競合を抑えることでの参入には期待は持ちたいと思います。

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