iPhoneが対応する新たなLTE周波数の整備が始まる

新モデルのiPhoneが発売となるたびに「我が社のiPhoneのネットワークは◯◯車線のLTEが使えて快適」とキャリアが宣伝合戦を展開します。iPhone 5s/5c、iPhone 6/6 Plusでは各社とも複数のLTE周波数を使えるようになり、こうした宣伝も陳腐化しつつありますが、最近、iPhoneが対応する新たな周波数帯の整備が国内キャリアで始まりました。

整備が始まったのはBand28(700MHz帯)の周波数です。iPhone 6/6 Plusからこの周波数帯のLTEに対応しており、これまでドコモ、au、ワイモバイル(現ソフトバンクモバイル)が実験的な基地局を設置して商用化に向けて準備を進めてきました。

そしてついに3月下旬からauがBand28の商用化を始めたようです。基地局免許情報では新潟県村上市、南魚沼市、長野県飯田市、三重県熊野市に合計56局の基地局を設置しています。ただ、この周波数帯もソフトバンクのプラチナバンドと同様に既存利用者の残存問題を抱えています。そのため一気に整備が進むということはなさそうです。

またエリア面での拡大も、他の周波数帯の整備が進んでいることから目立った変化はなさそうです。当面、この周波数帯は混雑緩和や基地局カバーエリア境界付近での通信品質向上といった使い方になると思われます。

しかし将来的にはキャリアアグリゲーションを利用した超高速LTEに欠かせない存在になっていくと考えられ、その整備の第一歩が踏み出されたということになります。

注:iPhone 6/6 Plusはハード的にこの周波数帯に対応していることはAppleのサイトで確認できますが、これをキャリアがどのように運用するかは不明です。

更新情報を配信します