学生向けApple IDで「iCloudストレージ200GB無料」はAppleの巧妙な戦略

Appleの教育関連イベントでは多くのことが発表されましたが、注目したいのが学生向けのiCloudストレージプランです。学校の発行するApple IDでは200GBを無料で提供するサービスなのですが、これはAppleの強力な囲い込み戦略の一部になると思われます。

使い始めると抜けられない

iCloudのストレージはiPhoneやiPadさらにはMacのクラウドとしてかなり活躍してくれます。Macで編集していた文書を出先でiPadから閲覧、修正くらいのことはクラウドストレージを使っているという意識を持たないまま使えます。またiCloudフォトライブラリは容量に応じて写真や動画を保存でき、大事な思い出のバックアップツールとしても使えます。

僕も200GBプラン(月額400円)をずっと使っているのですが、他の月額課金サービス(Apple MusicやNetflixなど)は止められたとしても、iCloudの有料プランは日々の作業、業務と深く結びつきすぎて、止められなくなっています。このiCloudの200GBプランを学生に無料で使ってもらうサービスは、Apple製品・サービスへの囲い込みを意識しているはずです。

仮に学生時代に学業やバイト、インターン、遊びで無料の200GBをガッツリ使っていたとすれば、学校を卒業しても200GBプランはやめられない体になっているはずです。さらに言えば、iPhoneやiPad、Macからも離れられなくなっているはずです。これはAppleの罠と言っても過言ではないでしょう。

プラン構成は再考の余地あり

この便利なiCloudストレージも、ひとつ欠点があります。それが容量プランの不自由さです。5GBが無料、これはまあいいのですが、次が200GBで400円、そしてその次が2TBの1,300円まで飛びます。できれば500GBプラン1TBプランがあって、小刻みに課金したいところなのですが、実際は200GBからプランを上げると900円も月額料金が増加してしまう構成になっています。

これでは200GBを超えそうになった時点でiCloudの使用を控えようという心理が働いてしまいます。便利にそして保存容量を気にせずに使いたいので、Appleにはぜひ細かい容量プランの設定をお願いしたいです。