KDDIの分析でも「ドコモのiPhone発売は効果アリ」

先ほどのエントリーでは少し冗談のようなタイトルをつけましたが、本日の田中社長の発言から現在の携帯電話業界の競争環境を少し真面目に分析したいと思います。

まず田中社長は「ドコモのiPhone取扱いで3社横並びとなった印象」があるとして、横並びから脱却するために特徴的な端末やサービス、エリア、価格(キャンペーン)を打ち出しているとしています。今日の発表会でもauらしさが常に強調されていました。

確かに競争上、3社横並びでは販売競争は不毛な争いとなり、価格競争に向かっていくことは必至でそれこそ消耗戦になってしまいます。この不毛な争いを避けるのが今のKDDIの至上命題になっているのでしょう。

そして競争環境はドコモからのiPhone発売で確実に変わったとも認識しているようです。MNPについて引き続きKDDIが優位であることは変わりがないようですが、「流動市場は小さくなっている」と認識しているようです。これはドコモのiPhone販売開始で同社からの流出が減ったことを意味し、iPhoneは確実にドコモにプラスに働いていると言っていいでしょう。

ドコモの契約状況推移

しかしいくら差別化を頑張っても、競争の現場ではキャッシュバックが効果的なのはまだ変わらないようで「適切なキャッシュバックを頑張っていく」という発言に繋がっていると考えます。既存のau契約者としては競争の激化が利用料金の引き下げに向かって欲しいのですが、そこに手を付けるのは各キャリアともタブーになっている感があります。