スマートフォン向けアプリ(パズドラ)で急成長したガンホーは、拡大を目指してフィンランドのスーパーセルをソフトバンクと共同で買収しています。そして本社をフィンランドに移転するという話まで出ています(ガンホー、フィンランドに本社移転を検討 WSJ日本語版)。
唐突なフィンランド移転の話ですが、僕は案外この移転は筋がいい気がします。スーパーセルの本社がフィンランドにあるので、足がかりは確保できています。ソフトバンクがシリコンバレーに研究所を設置、ガンホーがフィンランドへ本社移転で日米欧の三軸を見据えた展開といえば言い過ぎでしょうか。
地域展開以外にもフィンランドは情報通信関連企業(起業)の本場であることも忘れては行けません。iPhoneアプリ「Angry Birds」で大成功したロビオ・エンターテインメントもフィンランドの会社です。これ以外にもスマートフォンや情報関連の会社が多くフィンランドに所在しています。この背景には大学教育の充実や政府の起業支援制度などがあると考えられ、スマートフォン関連事業を起こす環境がフィンランドには揃っています。
また制度的な環境以外にも、フィンランドのデザイン文化の影響もスマートフォン企業の多さに影響していると思われます。フィンランドのデザインは既に日本でも人気ですが、虚飾を排するデザインや印象的な色使いが特徴で、これがスマートフォン文化と一致するのかもしれません。この文化的側面と制度的側面が組み合わさって、今のフィンランドの地位を築いたと言っていいと思います。
そこにガンホーが本社を置いて開発や新興企業の買収を行なうなら、なかなか筋のいい施策だと思われます。
フィンランドのデザイン文化のキーマン アルヴァ・アールトが設計したアカデミア書店 |