「高齢者へのiPad導入を阻んだiOSのUI/UXの話」を読んで

このつぶやきとリンク先の記事は非常に示唆に富んでいます。

「iOSって簡単」って言っている方に特に読んで欲しいなぁ、とか。 高齢者へのiPad導入を阻んだiOSのUI/UXの話 | 株式会社たからのやま http://t.co/mIs8a5krWv
— Sho INOUE (@shoinoue) 2013, 12月 3

高齢者にiPadの使い方を教える講習会の結果が記されていますが、結局参加者30人のうち時間内にアプリをダウンロードできたのが一人という惨憺たる結果だったようです。問題部分を切り取って一つずつ問題点を考察されていますが、根本的な点にも問題がある気がします。

まず、iPadの使い方を教える講習会でApple IDの登録から開始するのは順番が逆、と言わざるを得ません。そして講習会の目標を「アプリがダウンロードできるようになる」と設定したこともずれていると感じます。

僕が考えるiOSは「習うより慣れろ」です。もちろんApple IDの取得やメールの設定は習う必要がありますが、操作に慣れてから習っても遅くありません。まずiPadの操作に慣れるために、やりたいことをやってみるのがいいと思います。動画を見たい、写真を取り込みたい、FaceTimeがしたい、SNSがしたい、そこからスタートして、その方法を最低限教えればいいと思います。

そしてやりたいことをやりながら操作やUIに慣れていけばいいのです。使ってるうちに、これがくるくる回ってるときは読み込み中だな、とか二本指でビヨーンってしたら拡大される、とかを発見していくのです。またこうすれば拡大するんだから、こうすれば、、、縮小される!という体験を通して発見することも出来ます。「iOSのあのシンプルで「直感的な」インターフェースは不親切極まりない(リンク先より引用)」のでなかなか発見できませんが、自分で発見した機能は忘れません。そうして体験的な学習で慣れていけばいいのです。

そうしているうちに「次にiPadでこれがしたい」となります。その時にApple IDの仕組みやApp Storeの使い方を教えれば、あっさり会得してくれます。これは僕が実家の両親や奥さんの両親に教えた方法ですが、今ではみんなクリスマスカードをiPadで作って送ってくれたり、動画を撮ってメールに添付して送ってくれたり、旅行や仕事に活用できるまでになっています。

講習会という場でこういう教え方は出来ないかもしれませんが、やはりiOSではこれが一番近道だと実感しています。