Apple Card、ゴールドマン・サックスによる審査は「緩め」

Apple Cardのサービスが始まり、一部の顧客から順次受付が始まっています。ゴールドマン・サックスとしては初めての個人向けクレジットカード事業になるのですが、同社の審査は比較的緩めであることが、実際に審査を受けてパスしたユーザーの報告でわかっています。

FICOスコア600点台

アメリカのクレジットカード発行やローン審査ではFICO社の算出するクレジットスコアが重視されます。スコアは過去の支払い履歴などから最高点850から最低点300の間で個人ごとに決定されます。平均は700点前後とされ、750点以上のスコアがあればクレジットカード利用枠や貸付金利などで優遇される顧客となります。一方で660点以下の消費者はサブプライム層とされクレジットカードの発行が拒否されることもあり、審査が通っても高い貸付金利での契約が必要になります。

このサブプライム層でもApple Cardの審査にパスした事例が多数報告されています。自身のスコアが620点だとする消費者がApple Cardに申し込んだところ、利用枠750ドル残高への利率23.99%という条件が提示されたと証言しています。このケースを見る限り、限度額はかなり低く、利率も非常に高いのですがApple Cardがサブプライム層にも広く門戸を開いていると推測されます。

ちなみにゴールドマン・サックスがアメリカで提供している消費者金融事業の残高の13%はFICOスコア660点未満の消費者に貸し付けられており、この高リスク層への貸し出し事業で得られたノウハウから、クレジットスコア以外で消費者の信用を図る方法をApple Cardに適応しているのかもしれません。なお高いクレジットスコアを持つ消費者がApple Cardの発行を拒否されていることも判明しており、ゴールドマン・サックスがクレジットスコアのみを利用して審査しているのではないと言われています。

仮に日本にApple Cardが上陸したとしても、このような「謎審査」に消費者は振り回されてしまうのでしょうか。