iPhoneに取り込まれるもの、車の鍵の次はパスポートや免許証

AppleはiOS 13.6にCar Key機能を搭載し、iPhoneやApple Watchを車の鍵にすることを可能にします。カメラ、メモ帳、電卓、時計、予定表など、様々なものがiPhoneに取り込まれてきましたが、車の鍵もいよいよiPhoneと一体化する日が来ます。しかしAppleはこれに止まらず、さらにiPhoneの役割を拡大させることを狙っています。(Apple wants your iPhone to replace your passport and driver’s license

政府機関発行のID

AppleはiPhone内にパスポート免許証その他政府機関発行のIDを取り込む技術の開発を進めています。そのために複数の特許も取得済みであり、Apple社内で研究が続いていることが伺えます。今回取得が判明した特許はID情報の記録、確認、送受信に関わるものであり、単にiPhone内にIDカードの画像を取り込むだけでなく、様々な情報を専用のICチップを介して記録、送受信することが想定されています。

政府機関が発行するIDカードは本人確認でも最も信用の置かれている書類であり、これが偽造されるようなことがあれば大きな問題に発展します。また情報の送受信が第三者に傍受されるようなことも避けなければなりません。また紛失時、盗難時にIDカードが悪用されることも防止する必要があります。そのためかなり高度な偽造防止、暗号化技術が必要になると考えられ、越えなければいけないハードルはたくさんあるでしょう。

しかしAppleは一つずつ課題をクリアし、いつの日かパスポートや免許証をiPhoneに取り込むことができるようになると予想します。

日本ではどうなるか

iPhoneやApple Watchの新機能の多くはアメリカでの利用が前提となっており、他の国の制度やシステムに合わせるのは遅れる傾向があります。このIDカード情報の取り込みも例外ではなく、まずはアメリカでとなるでしょう。しかし日本でもiPhoneやAndroidスマートフォンにマイナンバーカードを読み込み、各種行政手続きを簡略化できるシステムが稼働しています。そしてこのマイナンバーカードに免許証や健康保険証を統合する動きも始まりました。

IDの統合はまだロードマップ作りが始まったばかりですが、将来的にマイナンバーカードに統合された免許証、健康保険証がiPhoneに取り込めるようになるのは非現実的ではないと思います。クレジットカード(Apple Pay)、車の鍵(Car Key)につづき、将来的に免許証、健康保険証がiPhoneに統合されれば、財布やキーホルダーを持ち歩く人はかなり減るのではないでしょうか。かなり楽しみです。