ソフトバンクに買収されて新生スプリントに生まれ変わった直後、スプリントは携帯料金の値下げを発表しています。計算方法にも影響されるようですが、大手2社に比べて1年間で120〜240ドル安い設定のようです。
Sprintのニュースリリースより |
参入後、いきなり価格競争を仕掛けたソフトバンクですが、これってボーダフォン買収時の戦略にそっくりです。インフラが整備されるまでは価格で勝負してユーザーを集める戦略でした。しかし、集まったユーザーは通信品質の低さを嘆きます。そこに孫社長が「基地局倍増」「プラチナバンド」「つながりやすさNo1へ」などのわかりやすい言葉で、将来の改善を約束することで、顧客離れを防いできました。
あの手この手で時間を稼ぎつつ、着実にインフラを整備し、ユーザー数を積増して来たのが現在のソフトバンクです。普通だと品質が悪ければ早い段階で解約されそうですが、iPhoneを独占していた影響で多くの人が通信品質改善まで我慢してくれたのがよかったのだと思います。
では、スプリントは何で我慢させるのか。一番分かりやすいのがTD-LTEの「サービスエリア倍増計画」のようなものでしょう。半年後、一年後には素晴らしいネットワークが完成する、と宣伝し続ければある程度ユーザーは待ってくれるでしょう。ただ、この宣伝に孫社長のキャラクターが使えないのはデメリットになるかもしれません。日本だとカリスマ社長ですが、アメリカ人にそのカリスマ性は通用しません。
どうやって事業を軌道に乗せるか、興味は尽きません。