先日、ドイツのルフトハンザ航空のTwitter公式アカウントが「航空機内ではAirTagの電源をOFFにしなければいけない」とツイートして議論となっています。ただルフトハンザの広報はOFFにする必要がないと回答しており、ルフトハンザ航空にも対応の混乱が見られます。
危険物?電波を発する機器?
航空機内で使用できる電波を発する機器は厳密に定められており、駐機中、離着陸時、巡航中とそれぞれ使用の制限が設けられています。ルフトハンザ航空の公式アカウントが搭乗時にAirTagの電源をOFFにしなければいけないと説明したのは、AirTagが電波を発する機器に該当すると判断した可能性はあります。
実際、ルフトハンザ航空の担当者はメディアの取材に対してAirTagがICAOの規定が定める電波を発する機器に該当するとしています。ただAirTagが使うBluetoothや超広帯域無線は出力が低く、このガイドラインに定める機器に該当するかは微妙です。実際、他の航空会社はAirTagの使用を禁止していません。
もう一つ考えられるのがAirTagの電池ですが、これもボタン電池であり、航空機内への持ち込みが制限されているリチウムイオンバッテリーとは異なります。これも持ち込み、使用規制の対象にはならないはずです。現時点でルフトハンザ航空以外にこのような禁止を明言している航空会社はなく、Air Tag禁止の動きが広がる気配はありません。おそらくルフトハンザ航空でも意見を統一して発表する際に、Twitterでの説明を覆すのではないでしょうか。
禁止規定はある
AirTagは超広帯域無線を使っているため、一部地域での利用が制限されています。AppleのサポートページによるとAirTag(超広帯域無線送信器)はオーストラリアの一部地域(電波天文台周辺)で法律で使用が禁止されています。日本の一般ユーザーがこの地域周辺に行くことはほぼないかもしれませんが、一応、禁止規定はあるようです。
電波のルールは国ごとに異なり、新しい製品の位置付けは難しくなります。ただ、ルールを守って電波を使うことが電波の有効利用につながるので、ユーザーはルールを守ることを意識しつつ、便利に機器を使っていけばいいのではないでしょうか。