iPhoneでは去年の10月まで、iPadでは現在でもソフトバンクが通信キャリアとして独占状態にあります(ました)(一部SIMフリー運用の例外もありますが)。ただソフトバンクの通信環境の評判は誤解を恐れずに言えば「悪い」状態が続いています。利用者の先入観による部分もあると思われますが、iPhone 4Sがauで販売されたことをきっかけに比較されることが増え、ソフトバンクも今まで以上に電波の品質向上に努める必要に迫られています。
この電波品質を利用者が主体的に測定しよう、として誕生したのがiPhoneアプリ「移動記録」です。アプリによる測定の結果を地図上にプロットしてくれます。地図上にはスマートフォンで見るようなサイトを開くときの快適度を色合いに変換して表示されます。色は各種測定結果を総合して、青→緑→黄緑→オレンジ→赤の順に快適度が落ちていることを表します。
九州北部から関東までの地図
都市部では両キャリアともほぼ青色ですが、ソフトバンクは都市間で緑色になっています。移動速度による誤差もあると思われますが、KDDIの方がエリア的に優位に立っていることがうかがわれます。
次は都心部
衛星写真による比較ですが、中央左寄りの緑地が代々木公園、明治神宮で写真右、やや上側にある大きな緑地が皇居です。KDDIではほとんどの場所が緑から黄緑でカバーされています。しかしソフトバンクでは青色の非常に快適な場所が多い反面、オレンジも目立ちます。特に新宿や渋谷といったターミナル駅、高層ビル街や電車路線上でのオレンジが目立ちます。印象としてムラの多い結果です。
この全国、都心部の結果は利用者の実感「ソフトバンクは速いときは超快適だけど、田舎や混雑時に遅くなることが多い」「auはどこでもそれほど速くないけど安定して繋がる」と一致していると思います。
そして7月25日、いよいよソフトバンクがプラチナバンドの運用を開始します。すぐに改善することはないでしょうが、例えば上の地図でいえば長野県や岐阜県、福島県、能登半島、四国といった現行の2GHzでカバーしにくかった地域の色が青くなって行くでしょう。また下の地図の西新宿のビル街で目立っているオレンジも、ビル陰への電波の回り込み特性を活かせば解消へと向かうでしょう。
エリア整備には技術的に困難な部分も伴い、また手続き(用地確保、近隣住民の同意など)にも時間がかかるようですが、どうなるか、カリスマ社長がどのくらいの期間でやってのけるのか、楽しみです。