カーナビ、3DマップはiPhoneの限界を試すか

次期iOS(iOS6)にはApple独自の地図サービスに音声認識を組み合わせたカーナビが標準機能として搭載される、と発表されました。これは非常に興味深いです。現在の地図サービスも高度に洗練されているのですが、これを更に3Dにすることで立体交差や高速道路への分岐などが更にわかりやすくなると思います。

日本でAppleと提携するのはMapFan for iPhoneでおなじみのインクリメントPのようです。同社はカーナビ用の地図作成が本業(carrozzeriaブランドでカーナビを生産しているパイオニアの100%出資子会社)であり、新しい地図サービスの目指す方向がそちらであるのは明白でしょう。

MapFanのサンプル画面
(App Storeのサンプルより)
しかし、自動車の移動は速いときで時速100km、街中の平均でも20km以上での移動となり、ビルの谷間や山間部でのデータ取得には非常に困りそうです。どのように解決するのでしょうか、一方からは通信速度の向上で対応するかもしれません。iPhone 5にはLTEを搭載することで、瞬時にデータを転送できるような環境を提供していくのでしょう。そしてもう一方からは数GBの容量をあらかじめ確保しておいて、オフラインマップをプリインストールすることでも対応するかもしれません。

iPhone, iPad用のアプリ「MapFan for iPhone」は地図情報をオフラインでも取得可能なように一旦地図情報を全てダウンロードします。そのような方法を全国とは言わないまでも、自身の周辺数百キロ範囲で行うのかもしれません。そうでなければ3Dの非常に大きなデータを移動しながら、というのは難しいと考えます。もしかして全国の地図データはどこかのサーバーに確保しておいて、必要に応じて1GB分くらいを常に本体に格納する、という方法がとられるかもしれません。

新サービスの発表から1日以上がたちましたが、興味は尽きません。

MapFan for iPhone – INCREMENT P CORPORATION
(2300円、比較的高額ですが既に100万以上のダウンロード実績があります)