iPhone, iPadのビジネスユース、いつか来た道に

協業により、iPhone/iPad導入支援サービスに認証やMDM機能を付加(サイバートラスト、SBI)というニュースをみて、複雑な気持ちになりました。確かに企業へと売り込む場合、営業先は「システム管理部」になるのでしょう、そしてシステム管理の最優先事項は個人情報保護や企業機密漏洩対策なので、この記事にあるような売り方は間違いではないと思います。


しかし、現場で仕事をする人間としてはガチガチに縛られたiPadを渡されても、なにも面白くないのです。結局、iPadですることは今までノートパソコンでしていたことに落ち着き、iPhoneとの連携といってもメール確認、文書の共有、スケジュールの共有くらいで、既に20年前から同様の機能の企業向けグループウェアと同じになるのではないでしょうか。

iPad, iPhoneは企業内で導入するにしても、一律的な使い方を提供するのではなく、使いたいように使わせてくれないと効果半減となることは断言できます。こういう企業向けの制限の強い使い方が浸透していけば、過去にWindows PCが仕事向けのツールになって、まったく面白味の無い「パソコン」になってしまったその道を、iOSディバイスもなぞってしまう気がしてなりません。

支援サービスを行うソフトバンクグループは社員全員にiPad, iPhoneを持たせて仕事をさせるようです。果たして、大企業でどこまで効果的な利用ができるか、自らが実験台になってくれていると考えて、その結果を見守りたいです。

因に私が仕事にiPadを使ってみて、企業のガチガチに固まったPC、インターネット利用内規の範囲でのiPad利用はあまり意味が無いと感じています。一方で、柔軟で小規模な組織、個人同士の集まりといった事業体での利用は非常に効果的だと思います。