「Apple」と「広告」の微妙な関係 macOS High Sierraではさらに広告排除が進む

Appleは先日、一部の広告ブロックアプリ(他社アプリ内の広告までブロックできるアプリ)の更新を拒否したと伝えられています(Apple reportedly shifts App Store policy to stop adblockers outside of Safari)。Appleはこのことについて「アプリ開発者が広告で収益を得ることをサポートして来た」とコメントしており、広告で収益を得ることを否定的に捉えてはいないことを示しています。しかしAppleは同時にWebサイトからの広告排除には積極的です。

macOS High Sierraの広告排除機能

今年の秋にリリース予定の次期macOS(High Sierra)ではSafariでの広告排除機能が強化されます。閲覧者の興味に沿った広告表示を制限する機能動画広告が自動で再生されるのをブロックする機能コンテンツ(広告)ブロックアプリの動作をカスタマイズする機能リーダーモードを常に「オン」にする機能などが盛り込まれ、Webサイト訪問時に過剰に広告が表示されるのを防ぎます。

特にリーダーモードを常時「オン」にできるようになれば、多くのブログやニュースサイトで広告がほとんどない状態でコンテンツを閲覧できるようになり、この普及はメディアや広告出稿者にとって大きな意味を持ちそうです。Appleはアプリ開発者の収益源として広告掲載を助ける一方で、Webサイト運営者にはそれを認めない、見方によっては矛盾する二つの方針を持っています。Appleにとってアプリ開発者はパートナーであり、Webサイト運営者は部外者という位置付けになっているのでしょう。

「News」アプリでは広告掲載増加へ

一方、Appleがアメリカ、イギリス、オーストラリアで提供している「News」アプリでは広告をさらに掲載やすくするようです。これまでNewsアプリ内での広告掲載はかなり抑制されていたのですが、これではメディアがNewsへの記事配信から撤退しかねないとAppleが判断したようです。広告掲載が増えることで、記事以外の情報が目に入る機会は多くなり、当初Appleが目指した美しいレイアウトでコンテンツが読めるアプリという理想からは少し遠ざかるでしょう。

Appleは自社プラットフォームでは広告掲載の機会を確保しつつ、Webサイトなどでの広告表示については否定的という態度を続けています。この二の動きは少しチグハグな部分があると思います。Appleはまだ「広告」について明確な方針を持っている印象ではありません。