「Face IDが3Dプリントで突破された」なんて心配する必要あるのか?

Face IDの精度についてはiPhone X発売以来、議論と検証が進んでいます。双子だったら別人でもFace IDでのロック解除が可能だったり、3Dプリントで顔を複製するとロック解除可能だったり、一部ではそのセキュリティについて疑問視する声もあります。しかし僕自身はそこまで心配するようなことではないと思います。

3Dプリントは本人同意なしに作れない

そもそも顔の3Dプリントを本人に内緒で作ることはほぼ不可能です。この時点で3Dプリントを使ったFace IDの突破には無理があるのですが、仮に最先端の技術や高度な専門知識を用いて本人の同意なしに顔の3Dプリントが作れたとしても、その費用は莫大なものになるでしょう。Face IDを突破した先に、その費用に見合う情報がある人というのはかなり限られているはずです。

最近ではネットバンキングでもアプリのロック解除にFace IDやTouch IDを使いますが、振込などでは乱数表ワンタイムパスワードが併用されます。よほどのことがない限りFace IDだけを突破したとしても金銭的な実害はないでしょう。プライベートを覗き見される危険性はありますが、そこまでして第三者がプライベートを覗きたくなる人も少ないはずです。

Touch IDもパスコードも安全ではない

結局「多大な労力と最新技術を惜しみなく投入すれば」という条件下ではFace IDTouch IDパスコードも同様に第三者の侵入を許します。パスコードはコードを入力する画面を覗き見る(監視カメラで撮影する)ことで突破可能です。指紋も本人が触ったモノから複製可能とされます。一時期話題になったように、記念撮影などに写っている手の写真から指紋情報を抜き出すことも可能とされています。

自分のiPhoneの中にどれだけ重要なものが入っているかによって、本人がiPhoneの管理を厳重にするしかなさそうです。Face IDが3Dプリントによる顔の複製で突破されたからといって、機種変更してTouch IDに戻ったりFace IDをオフにしてパスコード入力に変更したり、はあまり意味がないのではないでしょうか。