HomePodはまだ初回出荷分が残る そもそもスマートスピーカーって必要?

Appleはアメリカ、イギリスで現地時間26日(オーストラリアでは27日)に同社初となるスマートスピーカー「HomePod」の予約受付を開始しました。しかし予約開始から40時間近く経過した時点でもまだ初回出荷分の購入が可能です。HomePodの需要はそれほど強くないのかもしれません。

スマートスピーカーとしては割高

アメリカではすでにGoogleAmazonなどがスマートスピーカーを販売しており、HomePodはかなり遅れての発売になります。スマートスピーカーに興味がある人は、既に他社のスマートスピーカーを購入済みである場合が多く、そうしたユーザーはしっかりGoogleやAmazonに囲い込まれつつあります

またHomePodの価格は他社製品の2倍から3倍と非常に高価であり、競争上は不利だと予想されていました。その予想が当たったのか、HomePodは100万台と言われる初回出荷分が売れ残っている状態です。ここからAppleがHomePodでスマートスピーカー分野で強い影響力を獲得していくのはかなり難しいかもしれません。

なおHomePodはスマートスピーカーとしての便利さよりもスピーカーとしての音質を売りにしており、Apple Musicのヘビーユーザーに音声コントロールスピーカーとして訴求していくことになると考えられます。

スマートスピーカーは必要か

そもそも論としてスマートスピーカーが本当に必要かという疑問もHomePodの売れ行きに影響していると思われます。Google HomeやAmazon Echoの最安モデルは数千円程度の価格設定であり、スマートスピーカーが便利かどうか確かめる意味で買ったという人も多くいるでしょう。しかしHomePodは349ドル(約3万8,000円)です。これを試しに買ってみるというのは少し高すぎます。

ちなみに僕はAmazon Echo Dotを割引価格(4,000円程度)で試しに購入しました。このくらいの価格なら気軽に試せます。実用的に使えるのはニュースの読み上げラジオ照明のON/OFF天気タイマーめざましくらいでしょうか(ほとんどスマホでできることです)。そのほかにもスキルはたくさんあるのですが、実際に使ってみて便利なと言えば便利、でもこれがなくても生活には何の支障もない、そんな感じです。

HomePodはスマートスピーカーが便利に使えるという認識が広がるまで、それほど売れる商品にはならないのかもしれません。ただApple Watchも「スマートウォッチなんかそんなに便利じゃない」と当初言われていたのですが、徐々に生活に浸透してきています。HomePodもこのような売れ方をしていけば成功なのでしょう。