ソフトバンクの「つながりやすさ」が試される

先日発表されたiPhone 5s/5cがAXGPに対応しなかったことでソフトバンク版iPhoneの特徴がぼやけてしまっています。LTEのエリアではauの後塵を拝し、3Gのエリアではドコモには及ばない、そんなイメージが出来上がりつつあります。

しかし、よく考えてみれば既にソフトバンクのiPhone 5のLTEは実人口カバー率92%とされるレベルにまで来ています。さらにイーモバイルの1.7GHz帯のLTEを10MHz化して通信量の増加に備えています。他社と比べてもドコモのLTEエリアとは現状でそれほど大きな違いはありません。またauのLTE エリアはかなり広いですが、都市部に住む人ならソフトバンクのLTEエリアでも問題ない状況です。宣伝されるほど大きな差ではないとも感じます。

ドコモ(上)とソフトバンク(下)のLTEエリア
それほど大きな違いはありません

ただ、「劣勢」というイメージはソフトバンクのiPhone販売にとって致命的になる可能性を持っています。消費者は二つのモノを比べるのには慣れていますが、三つを比較するのは苦手です。なので、まず劣勢というイメージでソフトバンクを除外して、ドコモとauを比較する、そんな行動を消費者がとるとソフトバンクにとってはかなり不利になると思います。

この不利を回避するのは、やはり「つながりやすさ」でしょう。iPhoneを長年取扱い、ネットワークを最適化してきたソフトバンクが、その「つながりやすさ」をどれだけ今までユーザーに提供できたか、ユーザーがそれを実感したか、が重要になりそうです。

今年に入ってソフトバンクがしきりにアピールしてきた「つながりやすさ」ですが、いままで消費者は「ドコモが一番つながるキャリア」というイメージを持ってきました。そのドコモのイメージにどれだけ実績で対抗できるか、ソフトバンクにとってまさに正念場です。iPhone 5s/5c発売まで後1週間、3社の鍔迫り合いも激しくなるでしょう。かなり面白いので注目していきます。