ソフトバンクが買収したSprintはどうしちゃったのか?

2013年のちょうど今頃、ソフトバンクは米国第3位の携帯通信会社であるスプリントの買収を完了して米国進出を果たしました。その後、T-Mobile USも買収して米国市場で一気にシェアを獲得する計画だったようですが、この目論見は米国の規制当局の反対で実現しませんでした。

結果としてソフトバンクはスプリント単体での競争を余儀なくされ、孫社長の言う「長く厳しい戦い」が始まりました。米国進出に合わせてソフトバンクが設置した大規模な拠点からはすでに撤退しており、スプリントの再建計画が順調に進んでいないことは明らかでした。そしてここに来てスプリントの株価が買収以来の最安値を更新してしまっています。

Yahoo! Financeより

一体、スプリントに何が起きているのでしょうか。今回の安値更新の背景には、アメリカのアナリストによる資金枯渇(このままだとスプリントの手持ちの現金は1年以内になくなってしまう)の予想がありました。この予想が出てからスプリントの株価は一気に下がり、連日安値を更新する事態となっています。

ソフトバンクはスプリントに対して何らかの援助を実行しなくてはいけない状況に追い込まれているのではないでしょうか。ソフトバンクの米国戦略が大きな転換点にさしかかっていると考えられます。なお14日時点でソフトバンクはスプリント株の保有で4,000億円近い含み損を抱えています。

日本のソフトバンクユーザーにとって米国進出のメリットはあまりないのですが、iPhone 6/6 Plusの発売に合わせてスプリントのネットワークが無料で使える「アメリカ放題」が提供され、アメリカによく行くユーザーにとって魅力的なサービスを提供できていました。ぜひソフトバンクにはアメリカで踏ん張ってもらって、他社が提供できないようなサービスをお願いしたいところです。