ソフトバンク、契約純増数がドコモ、auの半分以下にまで落ち込む

先ほど発表されたソフトバンクの決算は大方の予想通りの数字だったのではないでしょうか。事前に発表されていたスプリントの減損処理をしていないことで、最終利益等は大幅に増加しています。

ただ足元の国内携帯電話事業については決して順調とは言えないようです。これまでソフトバンクが何かにつけて宣伝してきた「契約純増数No.1」はもはや見る影はありません。2014年10月〜12月の純増数は35万4千件で、auの78万、ドコモの97万に比べて半分以下の数字になっています。

おそらくMNPでもマイナスとなっていると推測され、契約獲得という面でソフトバンクは他社に大きく遅れをとっていると言わざるを得ません。また一契約あたりの月額料金( ARPU)もソフトバンクだけ減少傾向が止まっていません。契約数の伸びが鈍化しているのにもかかわらず、ARPU低下が続いているのは国内通信事業の収益性が悪化していることを意味します。

ソフトバンクは海外企業の買収や海外新興企業への投資で成長しているように見えますが、その買収・投資の費用は国内事業の収益が裏付けとなっています。ソフトバンク(孫社長)は国内事業に飽きたと言われていますが、今一度国内事業を見直して、一時期のような挑戦的な姿勢を取り戻してもらいたいと思います。

なおiPhone 6/6 Plus発売以降、機種販売は前年を上回っており、iPhoneの好調がソフトバンクの業績を瀬戸際で支えているようにも見えます。スプリントもそうですが、ソフトバンクの国内通信事業もいまから1年程度が正念場となるのではないでしょうか。