2016年Apple TVは大きく進化しました。と言っても進化の恩恵はアメリカのユーザーしか受けられず、その他の地域のユーザーは指をくわえて見ていることしかできません。そのアメリカでのApple TVの普及率がWi-Fiのある家庭の5%に達しているとの調査結果が公表されました。これを低いと見るか、高いと見るか、意見は分かれそうですが、僕はこの数字に小さな希望を見出したいです。
TVアプリとシングルサインオン
アメリカではApple TVで一度、ユーザー情報を入力してしまえば、数多くある有料チャンネルと簡単に契約できるようになっています。また複数の有料チャンネルの動画コンテンツを横断的に管理できるTVアプリがリリースされ、Apple TVはかなり便利に使えるようになっています。アメリカのケーブルテレビ文化がそのままインターネット時代に合わせて変化した形ですが、その変化をApple TVは上手く利用できたと言えそうです。
このような利便性の向上の結果、アメリカでのWi-Fi設置家庭での普及率が5%に達したと言っていいでしょう。Apple TVよりも高いシェアを持っているディバイスは比較的購入しやすい価格のもの(Fire TV, Chrome Cast)、この市場で長年事業を展開している企業の製品(Roku)です。これにApple TVが対抗できる勢力に成長しつつあるのは将来的な希望を感じます。
日本での進化は?
日本でも第四世代のApple TVが販売されるようになった頃から、映像コンテンツのストリーミング配信が一般的になってきました。HuluやNetflixは多くの契約者を集めています。これらをリビングで観るにはApple TVやChrome Castのようなディバイスが便利です。ただ日本ではまだまだ物足りない状態で、ここにアメリカのように後一押し、Apple TVが何かを仕掛けることができれば、日本でも販売台数が伸びる可能性は感じます。
しかし日本では映像コンテンツの制作でもテレビ局の存在が強く、そのテレビ局が「放送」にこだわっている状態です。現時点ではあまり想定できないことですが、圧倒的なコンテンツ制作力を持つテレビ局がApple TVと組めば時代は変わっていくと思います。いずれAppleとパートナーシップを結ぶようなテレビ局が出てくる可能性は0ではないでしょう。