auのLTEは5月21日から始まったキャリアアグリゲーション(CA)を使って一気に高速エリアを拡大させています。サービス開始時に告知された150Mbpsエリア(5月8日時点)は1864ヵ所(内CAは565ヵ所)でした。しかし今日更新された20日時点のエリアは3065ヵ所(内CA1590ヵ所)に拡大しています。20日時点ということでこのエリアで実際のCAを使ったLTEサービスが始まったことになりますが、短期間に対応エリアが急拡大していることがわかります。
この急拡大の背景にはLTEのスピード競争が激化していることがあります。ライバルであるドコモはCAを使わずに下り最大150MbpsとするLTEサービスを拡大させています。また下り最大112.5Mbpsとなるエリアも同時に急ピッチに整備しています。ドコモもこのまま基地局整備を続け、年度末には4万局で下り最大100Mbps以上に対応させるとしています。
ドコモ、auともに急ピッチで高速化を進めていますが、何かと話題になりやすいiPhone発売を意識しているように見えます。iPhone発売日直後はスピード比較がネットメディアに多数掲載され、その取り上げられ方がキャリア全体の印象になることも珍しくありません。iPhoneでのスピード比較記事は自社のiPhone販売だけでなく、キャリア全体のブランドイメージを賭けた競争という意味合いもあります。
次期iPhoneがCAに対応しているかはわかりませんが、現在のauの力の入れ方をみると対応していることをうかがわせます。CAで下り最大150Mbpsとなるau、Band3で下り最大150Mbpsを整備するドコモ、両社の競争は9月下旬に向けて静かに過熱しているのではないでしょうか。ちなみにauは上のグラフでもわかるようにiPhone発売直後(9月末)時点で現在の倍にあたる6000ヵ所程度が150Mbpsエリアとする計画のようです。