Appleが発表した4-6月期の決算は示唆に富むものでした。中でもiPad販売の復調はAppleにとって大きな意味を持つことになりそうです。Appleは3月に低価格モデルのiPad(5th)、6月にハイエンドモデルのiPad Pro(10.5インチ)を発表していますが、今回の決算でのiPadの好調は低価格のiPadが牽引していることが伺えます。
販売台数は15%も増加
これまで販売不振が続いていたiPadですが、久々に前年比で販売台数が大幅なプラスとなっています。iPadは4月から6月末までで全世界で1,142万4千台の販売を記録しました。これは前年同期の995万台を15%も上回る結果となりました。期中に低価格路線のiPad(5th)とハイエンドモデルのiPad Pro(10.5インチ)が発売されたことが影響しているのは確実ですが、売上高が2%しか伸びていないところを見ると、低価格路線のiPad(5th)が販売台数を大きく底上げした結果と考えられます。
確かにほとんどのiPadの用途において、iPad Proレベルの性能は必要ありません。ノートブックの代替機として考えても、文書作成、表計算、メール、Webブラウジング、動画コンテンツや電子書籍の閲覧という用途でiPad(5th)の性能が不足することはありません。この十分な性能のiPadが日本では3万7,800円から販売されるというのは非常にインパクトが強かったものと思われます。
iPad Pro(10.5インチ)は秋から加速か?
一方、6月から販売の始まったiPad Pro(10.5インチ)も一定以上の評価を得ている機種です。ただiPad Pro(10.5インチ)の魅力を最大限に引き出すのはiOS 11なのも事実です。iOS 11の進化したマルチタスク機能はiPad Proの処理能力を存分に使ってその実力を発揮します。またベゼルが細くなったことでディスプレイと現実の境目が細くなり、AR機能を存分に堪能するのにぴったりの端末になると考えられます。
結果としてiOS 11がリリースされる秋以降、iPad Proの販売台数が加速していくとも考えられます。低価格路線のiPad(5th)と超高性能なiPad ProとiOS 11の組み合わせがiPad復活のきっかけになる?かもしれません。僕もiOS 11の正式版リリースまでにはiPad Pro(10.5インチ)を買うつもりです。