HomePodはApple Music専用スピーカーになってしまうのか?

Appleは先行販売国におけるHomePodの発売を2018年初頭に延期しました。実はAppleはこれまでもHomePodプロジェクトを中止にしたり、復活させたりを繰り返してきたとのことですが、Apple自身もHomePodの需要をイマイチ読み切れていない気もしてきました。

HomePodプロジェクトの変遷

Bloombergが報じたところによると、AppleがHomePodのプロジェクトチームを立ち上げたのは実に5年も前のことのようです。しかしその後、中止て再開を繰り返して、ようやく開発開始から2年が経過した頃にプロトタイプのHomePodにコードナンバーが付与され、本格的なテストが始まりました。

しかし当初からSiriを音声アシスタントとして、HomePodをAmazon Echoのような用途で利用することは想定されていなかったようです。Siriの開発チームにもHomePodは音楽を高音質で聞くためのアクセサリと説明され、音声でアプリを操作し、サービスにアクセスするという発想ではなかったとBloombergは伝えています。

音楽重視の姿勢は明確

この開発開始から製品化に至る過程の影響はWWDCで発表されたHomePodのコンセプトに色濃く残っています。Google HomeやEchoに比べて大きめのスピーカーを複数配置し、壁での反射を利用した音場の再現など、音質と臨場感を重視した本体は印象的です。この辺りはスマートスピーカーと表現するよりも、音声コントロール可能なオーディ機器といったほうがいいかもしれません。

またBloombergはHomePodが音声でコントロールできるアプリがかなり限られていることも伝えており、同製品の軸足は音楽再生にあることを示唆しています。AppleもこれまでHomePodについて、まず高音質の音楽再生(Apple Musicの再生)機能を強調しており、実はHomePodはスマートスピーカーと思って買うと、がっかりするような製品なんじゃないかと思うようになってきました。ただ、発売当初は音楽再生に特化した製品でもいずれはSiriを使った様々なサービスへのアクセスが可能になって行く流れなのは間違いないとは思います。