Apple WatchもSiriも非対応に LINEはどこへ向かうのか

LINEは先日のアップデートでApple Watchアプリを廃止しました。アプリがなくても通知から返信できる(Apple Watchからはアプリからも新着メッセージの返信しかできなかった)ため、利便性は変わらないとの意見もあります。しかしApple Watchアプリの廃止はLINEが不便な状態が固定されてしまうことを意味します。

Siriからのメッセージ送信も不可

いつからかはわかりませんが、LINEメッセージをSiriから送信することもできなくなっています。今年の春ころにようやくSiriからの送信に対応したのですが、非対応になったことで不便な状態に逆戻りしています。Siriからメッセージを送信できれば、iPhoneを手に持たずにLINEメッセージを送れたのですが、これができなくなっています。

確かにLINEメッセージをSiriで送れるなら、音声アシスタントでメッセージを送信する時はLINEが販売するスマートスピーカー「Clova」よりも、iPhoneの方が便利に使えることになります。なぜかClovaのLINEは個人アカウントでの利用ができなくなっており、この逆転現象を防ぐためにSiriからのメッセージ送信に蓋をしてしまったと考えるのは穿ち過ぎでしょうか。

メッセージサービス企業のはずだが

LINEはメッセージサービスを軸に事業を展開しており、そのメッセージサービスの利便性がLINEが提供する他のサービスの競争力を支えていると言っても過言ではありません。しかしApple Watchアプリの廃止Siriからのメッセージ送信をできなくするような対応はメッセージサービスの利便性を下げています。

競合する他社のメッセージアプリ(iMessageを含めて)はどんどん便利になっています。そんな中でLINEだけが利便性向上を怠り、国内ユーザーの多さに甘えていれば周辺サービスだけでなく、いつの日かメッセージサービス自体がユーザーに見捨てられる日が来ることになるでしょう。LINEの最近の動きを見ていると、企業全体が一体どこに向かっているのかわからなくなってきました。