iPhone、Apple WatchのNFC解放で可能になる使い方

AppleはWWDCで発表されるiOS 12で、iPhoneやApple Watchに搭載されているNFCの利用をサードパーティーに解放するとの情報が出てきました。NFCの用途拡大はiPhoneApple Watchの利便性を飛躍的に向上させる可能性を秘めているだけに、どこまで解放されるか、そしてどんな使い方が実際にできるようになるのか、興味はつきません。

iPhone、Apple WatchのNFCがサードパーティにも解放されるの情報が出た時、アメリカのネットメディアでは「iPhone(Apple Watch)がホテルのカギとして利用できるようになる」と報じました。確かにこの用途は最も想定しやすい用途です。ホテルのフロントでiPhoneやApple Watchを読み取り機にかざし、登録を済ますだけで、宿泊期間中は自分のiPhoneが部屋の鍵になるというのは非常に便利です。

また使えるのはホテルだけではないでしょう。すでに日本ではiPhoneのNFC(Felicaチップ)を使ってコインロッカーの鍵にすることも可能です。

FeliCaのマンションなどへの導入イメージ

もちろん家の鍵、車の鍵、スポーツジムやゴルフ場のロッカーの鍵として応用することも簡単にできるでしょう。それほど大きな設備もいらないはずなので、iPhoneやApple WatchのNFCを鍵にする使い方はかなり普及する可能性があります。

会員証

NFCを自由に使えるようになれば、財布の中にある会員証をiPhone内にまとめて記録しておくことも可能になるでしょう。コーヒーショップ、コンビニ、ガソリンスタンド、ドラッグストア、飲食店など様々な場所で会員証の提示を求められます。もしそれにいちいち対応するなら財布の中は会員証で溢れかえることになりますが、全てiPhoneやApple Watch内に収納して利用できるようになれば、かなりスッキリするでしょう。

また免許証、社員証、学生証、保険証、資格証など常に持ち歩くことになる書類もiPhone内に格納できれば便利になるはずです。法律的な問題は多数ありそうですが、将来的にはスマートフォン内に公的な書類(証明書など)の情報が記録され、それを利用して各種手続きを行う日が来るのは間違いないでしょう。そうした将来に期待したいと思います。

複合

またiPhoneのNFCに情報が記録され、それを利用するなら複合させて使うのも可能になるはずです。例えば、カーシェアリングの会員証がiPhoneのNFCに記録され、貸し出しの時にはiPhoneが鍵になり、返却時の施錠と同時にApple Payで支払いが完了する。家の鍵をiPhoenで施錠した時、iPhone内の設定を変更してWi-FiをOFFにする(開錠した時にONにする)。映画やコンサートの入場チケットをNFCに記録すれば、その会場までの道順や交通手段をマップアプリが提示してくれる。様々な複合が考えられ、便利さの向上余地はかなり広いと考えます。

そのためWWDCで発表される内容には注目です。NFCがどこまで利用が可能なのか、用途が限定されないか、気になる部分は色々ありますが、まずは期待して発表を待ちたいと思います。