iPhone XS/XRの発表イベントで最も盛り上がったのがデュアルSIM対応の部分でした。中国では物理SIM2枚でデュアルSIMに対応するのですが、それ以外の地域では物理SIMとeSIMを組み合わせてデュアルSIMに対応します。この対応は「年内のソフトウェアのアップデート」で行われる予定となっています。
キャリアは「使える」と案内
iPhone XS/XRに搭載されるeSIMを使うにはiOS 12.1(もしくはiOS 12.2)へのアップデートが必要です。KDDIは「秋のソフトウェアアップデートで対応」とWebサイトに記載しており、ドコモは「秋から冬のアップデートで対応」と案内(Twitterのフォロワーさんから教えていただきました)しているようです。ソフトバンクの対応は不明ですが、国内で販売されたiPhoneでもアップデート後にeSIMを使うことはできそうです。
AppleもデュアルSIMに関する詳しい説明を自社サイト内で行っており、準備は着々と進んでいます。自在に2枚のSIMを使い分けることができれば、仕事用とプライベート用、国内用と海外用、データ用と通話用など様々な組み合わせが可能になり、月額料金節約にもつながるかもしれません。
キャリアが対応するかは別問題
しかし最も重要な点は国内キャリアやMVNOがeSIMに対応するかどうかです。9月のスペシャルイベントでeSIM対応キャリアがいくつか発表されたのですが、その中に日本のキャリアやMVNOはありませんでした。おそらくeSIMは使えるようになるものの、日本のユーザーは当面海外旅行や出張で現地キャリアのeSIMを使うくらいの用途でしか使えないのでしょう。
また大手キャリアがeSIMに対応したとしても、個人としては仕事用とプライベート用で電話番号を二つ使い分けるくらいしか用途が思いつきません。重要になってくるのはMVNOのeSIM対応になると考えます。
そのMVNOでeSIM導入を進めているIIJは7月にeSIMの実証実験を終えたばかりで、サービス開始は2019年春頃と案内しています(iPhone XS/XRで使えるかどうかは不明)。他のMVNOはeSIM対応で目立った動きがなく、対応はさらに遅れる可能性が高そうです。国内で本格的にeSIMを有効利用できるようになるのは来年以降って感じでしょうか。