11月12日の米国の株式市場は2%以上の下落を記録するなど、厳しい市況となっています。中でもApple株は5%以上も下がるなど、市場全体の下落を牽引してしまっています。因みにAppleの株価下落の原因はFace ID用のセンサーを供給するメーカーからの情報とされます。(米アップル急落 部品メーカー「出荷を大幅削減」)
大幅減産の要請
Face ID用のセンサーをAppleに納入するルメンタム・ホールディングスは「大口顧客の1社から10〜12月期に出荷を大幅に減らすように要請された」とコメントを出しました。同社の売上高のうちApple向けの売り上げが30%を占めており、この大口顧客はAppleであり、Face ID搭載のiPhoneの販売が振るわないとの観測が広がり、Appleの株価下落につながりました。
iPhone XSの予約開始直後から、予約の勢いのなさから今年のiPhoneはそれほど売れないのではないか、との憶測が広がっていました。約1カ月遅れで発売されたiPhone XRについても同様であり、両者を合計しても昨年のような販売台数を達成するのは困難との予測が広がっています。
Appleは来期からiPhoneなどの製品の販売台数の公表を取りやめると発表しており、これも勘案するとやはり今年のiPhone販売台数はそれほどパッとしなさそうというのが大方の見方になっていました。そこにFace ID用センサーの減産報道があり、こうした予想を裏付ける形となり、株価下落へとつながったのでしょう。
サービス分野にも影響?
Appleは世界中で大量のiPhoneを販売し、そのユーザー向けにアプリの販売、クラウドサービス、音楽配信、動画配信などのサービスを提供しています。既にサービス部門の売上高は四半期で1兆円を超える規模にまで成長しており、同社の売上高の2割近くを占めています。
このサービス部門の成長はiPhoneの旺盛な需要に支えられていた部分が大きく、iPhone XS、XRの販売不振がサービス部門の成長にも水を差す可能性はあります。これまで順調にユーザーを増やしてきたApple Musicや来年にも始まるとされる動画配信サービスなどへの影響が心配されます。