auがエリア面での有利を強調する800MHz帯のLTEが次期iPhoneに対応することがほぼ確実な情勢になってきました。それを受けて報道もau有利とする向きが増えています。今日の日経の記事にも「(エリア競争は)KDDIが断トツで終息できるのではないか」とあります。
たしかに800MHzのLTEエリアマップを見る限り、そのカバーエリアは広大で、年末にかけてさらに拡大の予定があり万全に見えます。一方で800MHz対応の結果を不安視する人の意見の多くは「少ない基地局で広い範囲をカバーすると、利用者増加で速度低下が著しくなる」というものです。
確かに正論ではあります。
下の800MHzエリアマップ(北海道河東郡士幌町)では半径15キロほどの半円状のエリアが一つの基地局で作られているように見えます。このように都市部では考えられない範囲が800MHzのLTEでは一つの基地局でカバーされているのも事実です。
ただ、このような地域はもともと通信量が少なく、無理に基地局を密集させる必要のないエリアでもあります。なので最終的には通信量と基地局設置のバランスが重要になってきます。
要するに「800MHzに対応すれば全て解決」というのは短絡的であると同時に、速度低下の懸念も基地局の増設や2.1GHz帯の利用で回避できるものです。なのでやはり実際にサービスが始まってみないことには何も分からない、っていうありきたりな結論です。