watchOS 7.3とiOS 14.4の公開に合わせて日本でもApple Watchの心電図機能が使えるようになります(おそらく来週前半)。ただ同機能の利用には条件もあります。
Series 4、5、6
Apple Watchに心電図機能が初めて搭載されたのがSeries 4からであり、当然のことながら心電図機能を使うにはSeries 4以降の機種が必要になります。ただ昨年発売されたApple Watch SEには心電図センサーが搭載されておらず、心電図機能を使うことはできません。ちなみに同時に利用できるようになる不規則な心拍の通知についてはSeries 3でも利用できると説明されています。もちろん心電図機能、不規則な心拍の通知機能を使うにはwatchOS 7.3とiOS 14.4のインストールが必要です。
心電図機能を使うためにApple Watchを購入するなら、低価格で販売されているApple Watch SE、Series 3は避けなければいけません(Appleが現在販売している機種で心電図機能に対応しているのはSeries 6のみ)。また注意点としてアメリカでは心電図アプリは22歳以下の使用を想定していません。日本でもデータの医学的な利用において年齢制限が加わる可能性があります。
自動記録ではない
心電図を記録するのはユーザーが心電図アプリを起動しセンサーに一定時間触れている時に限られます。心拍数などは自動で常にモニタリングしてくれるのですが、心電図に関しては自動で記録されることはありません。また計測には30秒必要で、毎日するにはそれなりに面倒な作業になります。心疾患のリスクの低いユーザーがApple Watchで日常的に心電図を記録することはあまり想定されていないのでしょう。
さらに記録された心電図をもとに、Apple WatchやiPhoneが何らかの疾患の予兆を通知することもありません。記録した心電図はiPhoneのヘルスケアアプリに保存され、医師とPDFファイルで共有して診断を仰ぐことになります。機能の開放後すぐに全ての病院、全ての医師がApple Watchの心電図データを有効活用できる訳ではなさそうですが、徐々にデータを活用して診断に役立ててくれる医師は増えてくるでしょう。
機種的な制約、機能的な制約はあるものの日本での心電図機能の開放はApple Watchと医療にとって大きな一歩になることは間違いなさそうです。
Apple Watch Series 6(GPSモデル、40mm、¥47,080)