Apple製品が予定より売れていない、その傍証と原因

4月17日の株式市場でApple株が1年4ヶ月ぶりに一時400ドルを下回った、と報道されています。原因となっているのがシーラス・ロジック社の在庫引当金の積み増し、とされています(Market Hack)。要するに「Appleの主要サプライヤーの在庫が増えている」→「iPhoneやiPadなどで当初の予定より売上が伸びていない」、という連想のもとでApple株が売られたようです。

それ以外にもAppleの新製品発表が去年の10月以来行なわれていないことから2013年1〜3月の売上高伸び悩み観測もあり、株価が大きく下げているとも伝えられています。

確かに新商品の発表はありません。それにiPhoneにしろiPadにしろ、商品として唯一無二の存在ではなくなりました。iPhoneっぽい商品、iPadっぽい商品の完成度が上がってきていることが原因ですが、そうした「っぽい商品」は安く手に入ります。それほど拘らない人にとって安さは最大の武器になります。その辺りでAppleが「っぽい商品」に圧されているのかもしれません。

Appleの優位性は商品以外でもコンテンツ販売やクラウドサービスとの連携、Apple製品同士の連携の良さなどで他社を上回っていると思います。しかしそうしたサービスを積極的に利用する人にはApple製品が行き渡ってしまったのかもしれません。このあたりがAppleの短期的な不安定さに繋がっているような気もします。Appleが安さを目指すか、さらなるサービスの拡充に走るのか、僕は長期的な観点からも後者に期待しています。

Appleの5年間の株価推移 依然高い水準にはあります