今朝発表された新しいApple WatchはApple Watch Ultra、Apple Watch Series 8、Apple Watch SE(第2世代)の3モデルでした。Apple Watch Ultraは言うまでもなくハイエンドモデルなのですが、Apple Watch Series 8とApple Watch SE(第2世代)の違いは実際の使用においてどのくらいの差になって現れてくるのでしょうか。価格の差と機能の差のバランスは取れているのでしょうか。
皮膚温センサー、常時点灯
Series 8には皮膚温を計測するセンサーが搭載されています。これはSeries 8から搭載された新機能であり、女性の排卵周期の記録などに役立つとされる機能です。このセンサーはSE(第2世代)には搭載されておらず、Series 8とSE(第2世代)の大きな相違点になっています。この機能がどうしても必要というユーザーはSeries 8を選択すべきでしょう。
またサイズの違いも使用感の違いに影響します。両者はケースサイズでは1mmの差ですが、Series 8はベゼルを狭くしているためディスプレイの印象は大きく変わっており、視認性は圧倒的にSeries 8が上回ります。さらに常時点灯ディスプレイもSeries 8でしか使えず、SE(第2世代)ではタッチ操作やボタンの操作をするか手首を返して時計を見る動作をした時だけ文字盤が表示されます。
Series 8とSE(第2世代)ディスプレイ関連の違いは使用感に大きな差となります。とはいえSeries 4までは常時点灯機能はなく、SE(第2世代)のディスプレイで満足していたのも事実です。Series 7からSE(第2世代)への後戻り的な買い替えは難しいかもしれませんが、最初にSE(第2世代)を購入するならあまり不都合は感じないかもしれません。
心電図、超広帯域通信、防塵性能
Series 8では心電図測定、記録機能や血中酸素濃度の測定ができるのですが、SE(第2世代)ではできません。ただ心電図アプリは心臓の状態に不安のあるユーザー以外はあまり使いません。また血中酸素濃度の測定もそれほど使うものではなく、健康なユーザーの場合、この2つの機能にほとんど出番はありません。
Series 8には超広帯域通信に対応したチップが搭載され、SE(第2世代)には搭載されていません。搭載の有無はスペック表で確認できるのですが、現時点でこのチップが使われることはほぼありません。車の鍵としてApple Watchを使う場合に利用するチップとされており、対応車種を保有していなければこのチップにほぼ出番はありません。
防塵性能もSeries 8はIP6X相当の防塵性能を有しますが、SE(第2世代)には規格を満たす防塵性能はありません。ただ極端に埃っぽい場所に行かない限り、高い防塵性能の恩恵は活かされないでしょう。日常生活やアウトドア、スポーツ、フィットネスなどの利用でIP6X相当の防塵性能の有無が問題になることはほとんどないでしょう。
59,800円〜、37,800円〜
Series 8(アルミニウムケース)はGPSモデルが59,800円(41mm)、64,800円(45mm)でGPS+Cellularモデルが69,800円(41mm)、74,800円(45mm)となっており、SE(第2世代)はGPSモデルが37,800円(40mm)、42,800円(44mm)でGPS+Cellularモデルが45,800円(40mm)、50,800円(44mm)となっています。
全てのモデルで2万4,000円の価格差となっており、上記の機能差にその価格差だけの価値があるかどうか、それぞれ自身の利用シーンと照らし合わせて考えればいいかもしれません。ちなみにSeries 7ユーザーの私でも、初めてApple Watchを買うとすればSE(第2世代)でも満足できると思います。ただ一度大きな表示のディスプレイ、常時点灯ディスプレイの快適さを知ってしまった以上、もう元には戻れないのは事実です。