Appleは先日iPad(第10世代)とM2チップ搭載iPad Proを発表しました。これでiPad Pro(11インチ、12.9インチ)、iPad Air、iPad(第10世代)、iPad(第9世代)、iPad miniが併売される、複雑なラインナップになってしまいました。Bloombergの記者はこのラインナップが将来的にiPad SEの導入で整理されると予想しています。
3つに集約?
先日のiPad ProとiPadの新モデルの発表後、多くのネットメディアはM1チップ搭載iPad ProとM2チップ搭載iPad Proどちらを購入すべきか、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)どちらを購入すべきかという記事を掲載しています。これは最新版と従来版の差があまり感じられなくなったこと、モデルごとの役割が不明瞭になったことを意味しており、iPadのラインナップが入り組んできたことを示しています。
Appleに詳しい記者もAppleがこの複雑さを解消する方向に向かうと考えており、将来的にiPad SEがラインナップに加わり、iPad Pro、iPad、iPad SEの3モデルに集約されると予測しています。iPad Airという位置付けが不明瞭であったこともあり、私にもこの3モデルが合理的に見えます。
iPad SE:現在のiPad(第9世代)の役割を担うモデル。5万円以下の販売価格を維持しつつ、iPadの標準的な性能、機能を備えた普及版。学校教育で使う子供向け、特定の使い方に特化した法人向け、家庭で子供一人に一台というような使い方をする場合、スマートホームのコントロール端末向け、などそれぞれ高い処理能力が不要で、高いディスプレイ性能を求められない用途向けとして高い需要が期待できるでしょう。
iPad:現在のiPad(第10世代)、iPad Air、iPad miniの役割を担うモデル。ディスプレイサイズは10.9インチと8.3インチが用意され、勉強、仕事、遊び、家族の写真の整理、コミュニケーションなどに幅広く対応できる仕様。一般的なラップトップPCのような役割も果たせ、キーボードやトラックパッドと組み合わせると文書作成、表計算、プレゼンテーションをしっかりこなせることも大きな特徴になるでしょう。iPadが1台あればMacやMacBookは不要になるユーザーも多いかもしれません。
iPad Pro:11インチと12.9インチが用意され、映像や音楽、3Dコンテンツ作成などを目的としたハイスペックモデル。プロやハイアマチュアなどの快適な作業環境を追求したいユーザー向けの最先端の性能、機能を搭載。構成によっては1台数十万円という価格設定にもなるiPad Proは趣味の範囲を超えた使用にも耐えられる性能を備えています。MacやiPad Pro、iPhone Proと連携して一つの作品を作り上げるツールとしてiPad Proは位置付けられます。そしてProモデルで培われた機能が徐々にiPadやiPad SEへと引き継がれていくことになるのでしょう。