WSJが厳しい記事を掲載しています。投資家はApple Watchの方向性に危機感を持ち、注意を払う必要があるとの主題です(アップルウオッチに要注意 投資家から疑念の声)。主にマーケティング手法がこれまでのAppleと異なり、ファッション製品としてApple Watchが明確なポジションを築けていないことが論拠となっていますが、一理ある意見と言えそうです。
Apple Watchは発売当初の品薄から「好調」との印象を持たれてきました。しかし2015年1-3月期の決算発表でも、WWDCでもその販売数は公表されませんでした。「予想以上」というコメントは出ていますが、実数は発表されていないままです。
開発者のイベントでApple Watchの販売が好調だと発表することで、Apple Watch向けのアプリ開発が加速すると考えていましたが、そうした発表もありません。開発者は漠然と好調と発表されただけのディバイス向けにアプリを作っていく必要に迫られています。
僕自身はWSJほど悲観的には見ていませんが、少し物足りない印象を持っています。それは機能でも、対応アプリでもです。機能はWatch OS2の登場でかなり改善しそうですが、それも秋です。多くの消費者はいま急いで買う必要はないと判断するでしょう。また実際に秋まで待てば、次のモデルでいいや、と思う人も多くなるかもしれません。
アプリも多くの人にApple Watchの便利さをわかりやすく伝えられるものはまだ出てきていないと思います。多くのレビュワーが「通知が便利」と口を揃えているように、それ以上のものがまだありません。この状態でAppleファンでもない人が購入に向かうことはないでしょう。
やはりApple Watchが爆発的に売れる(多くの人が便利さを実感する)まで、もう少し時間がかかる気がします。