「T-Mobile US、ディッシュと買収交渉」 ソフトバンクのアメリカ事業は厳し状況に?

ソフトバンクがアメリカの携帯電話事業に参入表明したのが2012年でした。2013年に衛星テレビ放送会社であるディッシュネットワークと激しい買収合戦の末、スプリント株の約80%を取得してアメリカ第3位の携帯通信キャリアを手に入れました。

その後ソフトバンクは、スプリントと合併させることを前提にT-Mobile USの買収交渉を進めてきましたが、規制当局からの反対に直面して買収を見送る決断を下しています。ソフトバンクは買収を見送るとしたものの、投資家の一部は環境が変われば合併もあり得ると考えていたフシもあり、いずれはスプリントが3強の一角になる可能性も想定されていました。

しかし先ほどその想定を覆すようなニュースが報じられました。ウォールストリートジャーナルによれば、T-Mobile USはソフトバンクと激しく争ったディッシュとの買収交渉に入っていると報じています。

まだ詳細は詰めきれていないようで事態は流動的ですが、もしディッシュとの�買収交渉が合意に達することがあれば、ソフトバンクの米国事業はスプリント単独での業績回復に専念する必要が出てくるでしょう。すでに単独での事業再建を目指す公言しているソフトバンクでしたが道は険しく、スプリントは未だに赤字体質から抜け出せていません。そのため、この状況を解決する飛び道具としてT-Mobile買収が期待されていたのは事実です。

報道により期待が裏切られたのか、このニュースが伝わった直後から東京市場ではソフトバンク株は売られています。投資家もアメリカでの事業展開の先行きに不安を感じているのかもしれません。ちなみにサービス面でもiPhone 6/6 Plus発売時に「アメリカ放題」が発表されて以降、目立った買収のシナジー効果は現れていません。あまり上手くいっていない印象は拭えません。