iPhoneで「おサイフケータイ」の高いハードル

次期iPhone(iPhone 7/7 Plus)にFeliCaチップが搭載される、2017年4月以降に発売されるスマートフォン(iPhone 7s/7s Plusを含む)に搭載されるNFCチップはFeliCaにも対応しているとの情報が、連休前から話題になっています。この情報はどこまで信用できて、本当にiPhoneで「おサイフケータイ」が使えるようになるのでしょうか。

「iPhone 7からFeliCaチップ搭載」の信憑性

次のiPhone(iPhone 7)にFeliCaが搭載される」との情報はスマートフォン関連の情報に詳しいジャーナリスト石川氏が独自に報じたものです。スマホ業界やAppleの動向にも詳しい同氏の情報であるため無視することはできないのですが、これまでのAppleの方針や状況証拠とは合致しません

そもそもFeliCa機能の利用にはiOS側の対応が不可欠です。現時点でiOS 10のベータ版内にその痕跡は発見されていません。また同氏の情報では日本版だけ独自のiPhoneとすることでFeliCaチップを搭載すると予想していますが、チップ一つ搭載することで、内部の設計は大きく変わります。同氏が例に挙げている中国独自のLTEの対応バンドとは訳が違います。それをAppleが日本市場だけのためにするかは疑問です。

2017年4月以降にも過度の期待はできない

一方で2017年4月以降、NFCの各規格(A/B/F)を協調させることで、iPhoenにもFeliCaが実質的に搭載されるようになるという情報もあります。これは協調が順調に進めば実現することであり、ある程度は期待していいと思います。

しかし現実には高いハードルはあります。AppleはiPhoneのNFC機能をApple Pay以外に解放していません。NFCを使うことでiPhoneでホテルの鍵を開ける、または入館証にするなどの用途が考えられますが、Appleの方針でこれら機能は未だに使えない状態です。

いくらFeliCaに対応するチップがiPhoneに搭載されても、Appleの方針が機能解放に向かわない限り、おさいふケータイをiPhoneで使うには至らないでしょう。特にApple Payの強豪サービスである「おサイフケータイ」機能に解放されるかは微妙で、あまり期待しすぎると裏切られるのではないかと感じています。

おサイフケータイに関して急に情報が出てきた感じですが、iPhoneで利用できるかはまた別問題という印象です