なにがiPhone6のVoLTE対応の障害になっているのか?

昨日のauの発表会でVoLTEの開始が告知されましたが、このサービスの対応機種の中にiPhone 6/6 Plusは入っていませんでした。auだけでなく、ドコモもすでに数ヶ月間VoLTEサービスを提供している実績があるのに、依然としてiPhoneではVoLTEサービスを提供できていません。

ドコモは「最終調整段階」、auも「良い日に発表します」とサービスイン直前の雰囲気を出していたのですが、昨日の会見ではKDDIの田中社長は少し突き放すように「いつかは対応するのではと思っている」ともう他人事のように発言しています。

では何が障害になっているのでしょうか。おそらくドコモ、auともにネットワーク側の対応は終わっていてAppleの対応待ちという状況になっていると思われます。「Appleのゴーサインが出ていないからサービスインできない」が正解かもしれません。なかなか出ないゴーサインに田中社長がイラついている、というのも昨日の会見を見るとあながち間違いではなさそうです。

ではなぜゴーサインが出ないのでしょうか。ここからは極端に理論が飛躍しますが、iPhone 5の時のLTE騒動が影響していると妄想します。

iPhone 5の発売時、auとソフトバンクはその発売日に合わせて2.1GHz帯のLTEを急ピッチに整備しました。ソフトバンクの場合はもともとメインとして利用していた周波数であったため、LTEへの移行は順調に進みましたが、auがかなり苦労したことは記憶に新しいところです。

基地局やネットワークを急造したため、結果的にパケ詰まりやLTEの通信障害の多発という事態へとつながりました。iPhone 5自体の作り込みが足りないといった批判も出てしまい、AppleにとってはiPhoneのブランドイメージを傷つけることにもなりました。

Appleはこの時の失敗をVoLTEでも繰り返さないようにしているのではないでしょうか。

どこかのキャリアが無理やりiPhone 6/6 Plusの発売に合わせてVoLTEに対応して障害を起こすことを極端に警戒している、そんな風にも見えなくはありません。その対策としてVoLTEの準備ができているキャリアにはテストを入念に行わせ、まだ準備が進んでいないキャリアには時間を与えて、突貫工事をしないように監視する。

Appleが自らiPhoneのVoLTE対応をコントロールしてキャリア同士を無理に競争させない、そういう状況を想像します。