やっぱり4社の方が価格競争は進む スプリントが破壊的な料金プランを発表

大手3社体制にして対等な競争を通して業界を変える。こう宣言していたソフトバンクが狙っていたことはやはりT-Mobile USを買収して、日本の市場のうように均衡状態を作り出し、安定した収益体制を作ることだったのでしょう。

T-Mobile USの買収が頓挫し、単独での市場シェア獲得が必要になったスプリントが早速仕掛けてきました。先週から噂にあった「破壊的な料金プラン(英語)」が発表されました。基本的には大手2社と同じ料金で倍のデータ通信が使えるというものですが、キャンペーンがかなり強力です。

例えば4回線で20GBのデータシェア、無制限の通話とSMSをつけた場合、データプランに100ドルと回線ごとに15ドルが必要となります。合計160ドル(1回線40ドル)で20GBを4人でシェアできて通話・SMS無制限となります。同様に通話・SMS無制限と20GBを10回線でシェアでシェアする場合は合計225ドル(1回線22.5ドル)となります。これは競合他社に比べると同一価格でデータ量が倍となり、これでもかなり破壊的と言えそうです。

さらに期間限定のキャンペーンとして2015年末まで4人で160ドルを100ドルにし、さらにデータ通信を8GB上乗せするキャンペーンが実施されます。また10人でも225ドルが100ドルになり、データも20GB上乗せされます。結果として4回線なら100ドル(1回線25ドル)で通話・SMSが無制限で28GBをシェアできます。また10回線なら同様に100ドル(1回線10ドル)で通話・SMS無制限、40GBをシェアできます。キャンペーン適用後とはいえかなり破壊的な料金プランになっています。

これが日本に逆輸入される日が来るのでしょうか。やはり3社体制になってしまった今、これだけの料金プランを導入するメリットはソフトバンク(もちろんその他2社にも)にはないでしょう。iPhone発売やVoLTEの開始など他社に料金競争を仕掛けるきっかけはたくさんあるはずですが、やはり3社が無駄な競争をせずに利益を上げるという暗黙の了解が出来上がってしまった日本市場ではまともな競争は期待できません。残念です。