KDDIのMNP数非公表を邪推してみる

昨日のKDDIの決算発表で一つ気になったのがMNP数の非公表でした。これまで「XXヶ月連続MNPトップ」と宣伝してきた企業が、急に静かになって違和感を感じます。KDDIがiPhone 4s発売月から続けていた連続記録をあっさり捨てたのには理由があるはずです。ドコモが特にためらうこともなく発表したこともKDDIの非公表を際立たせました。

ドコモの月次MNPはグラフで公表

非公表の背景には何があったのでしょうか。発表できないような数字だったのでしょうか。そう思われても仕方がないとは思います。しかしソフトバンクが発表してしまえば自ずとKDDIのMNP数も判明するので、そこは隠してもしょうがない数字です。

やはり非公表とすることで、MNPを取り合う競争を避けたいというKDDIの意思表明なのでしょう。それにソフトバンクが乗るか、乗らないか、8日の決算発表ではっきりしそうです。もしソフトバンクがMNP数を公表すれば、ふたたびMNPを取り合うキャッシュバック競争が始まる可能性があります。ソフトバンクも公表のメリットと競争激化のデメリットを天秤にかけることになるでしょう。

もしソフトバンクのMNPでの流入がKDDIより少なければ非公表に乗る可能性は高いでしょう。またKDDIの田中社長は記者との囲み取材で「内部的には分かっている」と何度も発言していました。そりゃそうでしょ、とは思うのですが、これはソフトバンクに対して「誤解を招くようなことは言わないでね」と釘を刺しているようにも見えました。

8日のソフトバンクの決算発表の楽しみが一つ増えました。