iPhone 7、Apple Watch Series2が対応した衛星測位システム「QZSS」の特徴とは?

昨日、AppleのWebサイトでiPhone 7iPhone 7 PlusApple Watch Series2が日本の衛星測位システム「QZSS」に対応したと表記していることがわかりました(iPhone 7/7 PlusとApple Watch Series 2が、日本の衛星測位システム QZSS(準天頂衛星システム みちびき)に対応)。準天頂衛星「みちびき」を利用したQZSSに対応したことでiPhoneやApple Watchは何が変わるのでしょうか。

ビル街での効果は実証済み

衛星測位システムはアメリカが運用するGPSが一般的です。これまでiPhoneもGPSを利用していたのですが、これに準天頂衛星「みちびき」からの信号を合わせて使うことで誤差の少ない位置情報の取得が可能になります。GPSのみで求めた位置情報の誤差は10mとされていますが、みちびきの信号で補完すれば1m以下の誤差も実現できるとしています。

またビル街では位置情報取得に必要な4台のGPS衛星からの信号が受信できないケースが多くあります。こうした場合で仰角(見上げる角度)の大きな位置にいることの多い「みちびき」の信号を受信すれば測位が可能になります。上の写真にあるように高層ビル街である西新宿での実証実験ではGPS単独で使うよりもかなりいい結果を残せています。

利用可能時間は限られる

準天頂衛星「みちびき」からの信号でGPSを補完することで精度の高い位置情報取得が可能になります。しかし「みちびき」を効果的に利用できる時間は限られます。仰角60度以上の位置に「みちびき」が滞在するのは東京では1日のうち11時間程度、札幌では10時間程度となります。この間はビル街山間谷間でもGPSの精度をあげられる可能性が高まります。

今の時期、東京でみちびきが仰角60度以上の位置にいるのは午前3時頃から午後1時頃です。この時間帯で、ビル街や谷間での測距精度が高ければ(位置情報取得までの時間が短ければ)、もしかしたらiPhone 7が「みちびき」からの信号を受信しているのかもしれません。

参考:「準天頂衛星システム(QZSS) みちびき データ公開ウェブサイト