【訂正】 「みちびき」からの電波を利用して誤差数センチの位置情報を利用するには、専用の受信設備が必要とのことです。現在iPhone 7が対応しているのは「みちびき」にほるGPSの補完だけで、4機体制になったとしても誤差数センチを実現できません。以下の記事は事実誤認に基づく不正確な記事でした。訂正してお詫びいたします。
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今年の1月、iPhone 7/7 Plus、Apple Watch Series2の位置情報が「みちびき」のデータにも対応したとニュースになりました。1月時点では1つの衛星からの電波に頼っていたため限定的な効果しかなかったのですが、今年の夏から順次衛星が打ち上げられることが決まり、来春からiPhoneでも位置情報の精度が一気に向上しそうです。
誤差は数センチ 新たな時代に突入
現在「みちびき」の位置情報を利用できるのはiPhone 7/7 PlusとApple Watch Series2だけで、さらに衛星が1機しかないため「みちびき」の情報を使える時間は限られています。そのためiPhoneの位置情報の精度向上という効果は今の所限定的です。しかしこの夏から秋にかけて、衛星が相次いで打ち上げられ、4機体制が来年の春までに整うとNHKは報じています。
4機体制が確立すれば、アメリカの衛星を使ったGPSと合わせて、理論上の位置情報の誤差は数センチになります。もちろん次期iPhoneも「みちびき」の位置情報に対応するはずで、精密な位置情報を利用したiPhoneアプリが多数登場しそうです。位置情報はスマートフォンの要でもあり、その誤差が10メートルから数センチになるのは大きな変化をもたらしそうです。
10メートルと数センチ
位置情報の誤差が10メートルから数センチになることは、スマートフォンに革新的な変化をもたらすほどのインパクトを持ちます。今、位置情報を利用しているアプリ(ナビゲーションアプリなど)は大抵誤差が10メートルくらいあることを前提にしたものばかりです。そのため誤差数センチというのは全く別世界であり、どんなアプリが出てくるか、想像もできない変化が起こる可能性を秘めています。
例えば配車アプリでは細かい場所指定を省略できるようになるでしょう。また精密な位置情報を共有すれば、屋外の個人に荷物を配達することも可能になるため、通販や配達サービスの形も変わっていきそうです。数センチ単位の動きまで精密に測定できるなら、より多くのスポーツで位置情報を使ったプレイ解析が可能になります。
しかしこれらは想像の範囲内で、おそらく革新的な変化の序の口です。「みちびき」が本格運用されれば、想像している以上に便利なサービスが登場するでしょう。非常に楽しみです。