昨日のMacBook Pro Retinaの新モデル発売と同時に、継続して販売される旧モデルのMacBook Pro 13インチ版の値下げが発表されました。日本での値下げ幅は4000円程度とささやかのものになっていますが、Appleが低価格帯商品を充実させる流れがMacBook Proでも確認された形となります。
去年はiPod touchで背面カメラを省略した16GBモデルを追加し、16GBモデルを低価格をカバーする位置付けとしました。iPhoneでもiPhone 5cを販売し、iPadでもiPad mini Retinaを発売した後もiPad miniを継続して販売し、他社の低価格タブレットとの競合を意識したラインナップとなっていました。2014年に入ってもiMacに性能を抑えた最安モデルを追加して、低価格帯をカバーする商品構成を確立しつつあります。これら低価格帯モデルの拡充の流れが今回のMacBook Pro 13インチの値下げへとつながっていると考えられます。
実際の販売においてApple製品は大きく値下げして販売されることが少ないです(iPhoneを除く)。そのため他のPCやポータブルオーディオプレイヤー、タブレットに比べて割高となる場合が多くあります。その割高分をブランドイメージがカバーしてきたのですが、そのブランドイメージに変化が起きつつあるのかもしれません。
もう一つ値下げの理由として考えられるのは、エントリーモデルの重要性の拡大です。近年はスマートフォン、タブレット、PCをまたいだサービスが一般的となり、とにかく最初に自社製品を買ってもらうことが重要になっています。そのためエントリーモデルを値下げして、Apple製品購入の敷居を下げて新規ユーザーの囲い込みを進める、そんな戦略も見え隠れします。
とにかく価格が下がるのは悪いことではないので、これからも続けてもらいたいですが、安易な安売りで中途半端な製品があふれることだけは避けてもらいたいです。