日本通信がソフトバンクの通信ネットワークを利用したMVNOのサービスを開始すると発表しています。これでソフトバンクのSIMロックがかかった端末でMVNOの利用が可能になったとして一定の注目を集めています。しかし提供時期が遅すぎた気もします。(日本通信、ソフトバンクと相互接続に関して合意 3月22日にサービス開始)
ソフトバンク網のMVNOにあるメリットとは?
ソフトバンクの通信網でMVNOが通信サービスを提供することで、ソフトバンクのSIMロックがかかっているスマートフォンをロック解除しなくても格安SIMを利用できるようになるとされています。それはそれでメリットなのですが、すでにソフトバンクで販売されているスマホは全て一定期間経過後にSIMロックを解除できるようになっています。ソフトバンクの端末をロック解除しないまま利用する理由はあまりありません。
通信速度や接続の安定性についてもソフトバンクが特に優れているというわけでもなく、ここでもあえてソフトバンク回線でのMVNOを利用する理由はありません。SIMロック解除が義務付けられる前なら大きな意義があったかもしれませんが、既にソフトバンク回線のMVNOにこだわる理由は少なくなっている気がします。
選択肢が増えるのはいい
ただ通信キャリアによって通信が快適な場所、快適でない場所はそれぞれあります。自宅での電波状況はソフトバンクが一番いいってケースも少なくはありません。そうしたユーザーにMVNOの格安SIMという選択肢が増えるのは大きなメリットとなります。どのような価格設定になるのか、MVNOの場合どんな制限があるのかはまだ不透明ですが、月々の支払いが安くなることは悪くないはずです。
一方でソフトバンクは格安路線をY!モバイルで推進していますが、この戦略は少し修正されるかもしれません。ソフトバンク、Y!モバイル、MVNOの3段構えで幅広いユーザーを取り込む方向に向かっていくのでしょうか。ちなみにソフトバンクの系列企業がMVNOに参入すれば面白いサービスが生まれる可能性はあります。
ソフトバンク網を使ったMVNOの開始はすぐには大きなメリットをもたらさないでしょう。しかし消費者の選択肢を増やす意味で、そして多様なサービスが提供される意味で期待できる部分もあると考えます。