トランプ大統領の対中関税発言でApple株下落、業績発表での上昇分が帳消しに

トランプ大統領は9月1日から中国製品に対して10%の関税を課すと発言し、一旦は落ち着いたとみられる米中の貿易戦争が再燃するのではと危惧されています。その影響か、Appleの株価も大きく値を下げ、先日の業績発表を好感して上昇した分が全て帳消しになってしまいました。

Appleへの影響大

9月1日から中国製品に関税が課されるとすれば、9月中頃から出荷される次期iPhoneにも当然のことながら関税が課され、小売価格にも大きな影響が出ることが予想されます。ただ関税が10%課されるとしても販売価格がそのまま10%上昇するわけではなく、アメリカの消費者はこれまでより数十ドル高いiPhoneを買わされる程度(それでも影響は大きそうですが)の影響となるでしょう。

しかしトランプ大統領はさらに「スマートフォンやノート型パソコン、子供服などを対象とする追加関税について、税率は25%を「はるかに上回る」可能性がある」とも発言しています。そうなれば中国で製造されるApple製品は米国で大幅な値上げを余儀なくされるでしょう。消費者にとってもAppleにとっても全く利益のない貿易戦争になりそうな気配です。

この発言の影響でApple株は値を下げており、先日の業績発表を好感した株価上昇分は全て消し飛んでしまいました。トランプ大統領の政策次第ではさらに株価が崩れる可能性もあり、トランプ大統領の発言は関税発動の9月1日まで注視していく必要がありそうです。

日本への影響は?

アメリカの関税によって日本に輸入されるiPhoneの価格に直接影響が出ることはないでしょう。しかしApple製品はアメリカでの販売価格を元に全世界の販売価格が決定されるのが一般的であり、アメリカでの販売価格が日本のiPhoneの価格と無縁というわけではありません

またアメリカでのiPhone価格高騰を受けて販売が低迷した場合、他の地域での販売で挽回する必要があり、その際にiPhoneの販売価格が世界的に値上げされる可能性も考えられます。日本のiPhoneの価格は今回の関税措置から直接の影響を受けるわけではなさそうですが、アメリカの関税が上がればiPhoneの値上げ圧力になるのは確かでしょう。