AirTag発表が遅れているのは独占禁止法への懸念から?

Appleは7日、他社の紛失防止タグが「探す」アプリに対応することを発表し、同時に発売予定の他社製品を公表しました。しかしAppleが開発していると噂されているAirTagには全く触れられず、様々な憶測を呼んでいます。

tileとの紛争

Appleは紛失防止タグを長く販売しているtileに機能の独占について厳しく追及されています。この結果、tile側の主張に応じてAppleは「探す」アプリだけでなくUWB機能をサードパーティーにも開放し、独占禁止法に抵触しないように慎重に行動しています。そして今回も自社の紛失防止タグ(AirTag)より先に、サードパーティー製の同様の製品を発表したことで、市場を独占しようとする意思のないことを強調したと一部ネットメディアは解説しています

AirTagがなかなか発表されないのは独占禁止法に抵触しないように慎重に行動していることが影響しているとの解説は確かに一理あります。Appleにとって紛失防止タグというそれほど大きくない市場を無理に独占して利益を貪るより、プライバシーを最大限に守れるプラットフォームとしてのiPhoneをさらに販売することの方がメリットが大きく、紛失防止タグについて慎重な行動をするのはもっともです。

ちなみに先日発表されたサードパーティ製のタグは3,000円程度で販売されると予想され、AppleのAirTagはさらに高価なものになると予想されています。そのため他社製品が先行してもAppleのタグ販売には大きな影響は出ないことを見越した戦略だったと推測されています。

個人的には以前からAirTagはAppleが重視している製品ではなく、「探す」アプリの他社への解放がiPhoneをより便利にするものだと考えていただけに、メディアの推測は納得できる説明ではあります。