ソフトバンクグループ時価総額5兆円割れ 孫社長の「確信」は伝わらず

祝日明けの東京株式市場は大荒れの展開となり、日経平均は前日比4.8%下げて終値で15,000円を割り込みました。しかし10日に決算発表を終えたばかりのソフトバンクグループはさらに下げ幅を拡大していて、前日比9.5%安の4,164円で取引を終えています。

ソフトバンクグループとしては決算発表でスプリントの再建などへの懸念をぬぐった上て、孫社長も「安すぎる」と評価する株価を反転させたかったはずです。しかし決算発表で孫社長はスプリントの業績回復について「私は確信している」を繰り返すのみで、具体的な数字で将来を示すことはしませんでした。(質疑応答の様子はこちら

結果としてスプリントの株価も2ドル台半ばからの反転を果たせず、ソフトバンクグループの株価は指数の2倍以上も下げてしまいました。

12日の終値で計算したソフトバンクグループの時価総額は4兆9,995億円となり、ついに5兆円を割り込んでしまいました。2013年には一時10兆円を超えた同社の時価総額ですが、今はもう見る影もありません。時価総額5兆円は保有するアリババ株の含み益5.4兆円にも及びません。ソフトバンクは投資家からの信頼を完全に失ってしまったのかもしれません。

僕はソフトバンクグループの株を継続的に保有しているわけではない(流れで購入することはあります)ので株価で一喜一憂する必要はありません。しかし株価は企業の健康状態のバロメーターです。経営が傾けば基地局や設備への投資が鈍り、ようやく他社と比較できる水準になった通信品質へも悪影響が出てくるかもしれません。iPhone 6から始まったアメリカ放題もスプリントから手を引けば終わりそうです。このようなユーザーへの直接的な影響は心配です。